ファンベルトとは?役割から交換時期まで解説!

トラックには、重要な役割を果たす「ファンベルト」という部品が存在します。多くの人が「ファンベルト」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、具体的な役割や目的については知らない方も多いかもしれません。
実際にファンベルトは、トラックにとって非常に重要な部品であり、適切な管理が行われないとエンジンが停止し、トラック両が走行不能に陥る可能性もあります。
この記事では、ファンベルトの役割や目的について紹介します。さらに、ファンベルトの管理を怠ることによる危険性や、ファンベルトの寿命や交換の目安についても解説しています。これは特にトラックなどのトラックを運転する人にとっては必要な知識となるため、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもファンベルトとは?

ファンベルトは、ゴム製のベルトであり、エンジンの動力をさまざまな機構に伝える役割を果たします。このベルトは一般的に「Vベルト」や「Vリブドベルト」とも呼ばれています。その役割は、エンジン装置から伝わったクランクシャフトの動力をオルタネーター、ウォーターポンプ、油圧ポンプなどに伝えて作動させることです。
名前に「ファンベルト」という言葉が付けられているのは、かつてはラジエーターを冷却するためのファンを回すベルトとして使用されていたことに由来しています。しかし、現代では電動ファンが主流となっているため、実際にラジエーターファンを回すためのファンベルトはほとんど存在しません。
ファンベルトの主なメーカーには、三ツ星ベルトやバンドー(BANDO)やなどがあります。トラックメーカーごとに異なるファンベルトメーカーを採用している場合もあるため、交換の際にはメーカーを確認することが重要です。正しいメーカーのファンベルトを選択することで、適切な性能と耐久性を確保することができます。
ファンベルトの役割
ファンベルトはトラックにとって欠かせない重要なパーツです。ファンベルトが正常に機能しない場合、さまざまな悪影響がトラックに生じます。例えば、ファンベルトが切れた場合、発電を担うオルタネーターが作動せず、バッテリーの充電が行われなくなります。
ファンベルトに異常が生じると、バッテリーに関連した問題だけでなく、冷却システムにも影響が及びます。ウォーターポンプが適切に作動せず、冷却機能が十分に働かなくなるため、トラックがオーバーヒートするリスクが高まります。
このように、ファンベルトはトラックの安全な走行にとって不可欠な部品であると言えます。適切な管理と定期的な点検を行い、必要に応じて交換することで、トラックのパフォーマンスと信頼性を確保することが重要です。
ファンベルトはメンテナンスが大事

ファンベルトが切れると、以下のようなさまざまなトラブルが起こり、安全な走行が困難になります。
オルタネーターの停止
ファンベルトが切れると、発電装置であるオルタネーターが動作しなくなります。
その結果、バッテリーの充電が行われず、電力供給が途絶えます。バッテリーの電力が消耗し、トラックのエンジンが停止してしまう可能性があります。
ウォーターポンプの停止
ファンベルトが切れると、ウォーターポンプが回転せず、エンジンの冷却が十分に行われなくなります。これによってエンジンの温度が上昇し、オーバーヒートが発生する可能性があります。過熱によるエンジンの損傷や故障のリスクが高まります。
パワーステアリングの機能低下
ファンベルトが切れると、パワーステアリングポンプが作動しなくなります。これによってハンドル操作が重くなり、操舵が困難になります。特に低速時や駐車時に影響が現れ、運転の安全性が低下します。
エアコンが停止
エアーコンプレッサーが停止することにより、エアコンが使えなくなります。
これらのトラブルが発生すると、トラックの制御が困難になり、事故のリスクが高まります。したがって、ファンベルトの状態を定期的に点検し、異常を発見した場合は早急に交換することが重要です。適切なメンテナンスと管理を行うことで、トラックの安全性と信頼性を確保することができます。
ファンベルトの交換時期
ファンベルトは半永久的に使えるものではありません。消耗品なので定期的に交換を行うようにしましょう。

ファンベルトの異音は交換時期の目安
ファンベルトの異音や鳴きは、劣化や摩耗のサインとなることがあります。特に「キュルキュル」という高音が聞こえる場合は、ファンベルトの劣化が進んでいる可能性があります。このような鳴きが聞こえた場合は、速やかに点検・交換を行うことが重要です。
ファンベルトの交換時期は、一般的には使用年数が5年から10年以上経過した場合を目安とすることがあります。ただし、走行距離や負荷の違い、エアコンの使用状況などによっても交換時期は異なることがあります。メーカーや整備業者の推奨を参考にしながら、ファンベルトの状態を定期的に点検し、必要に応じて交換を行うことが重要です。
定期点検や整備時には、整備士にファンベルトの点検を依頼することをおすすめします。また、自身でもファンベルトの状態を観察し、異音や異常を感じた場合は、専門の業者に相談し点検を受けることが重要です。
ファンベルトの定期交換時期を把握し、早めの交換を行うことによって、車両の安全性と信頼性を確保することができます。
ファンベルトの交換にかかる費用は?
プロの整備工場などにファンベルトの交換を依頼した場合の費用相場はおおよそ下記のとおりです。
車種 | ベルト代 | 工賃 |
---|---|---|
軽自動車 | 4,000円程度 | 5,000円程度 |
普通自動車 | 4,000円程度 | 5,000円程度 |
大型自動車 | 6,000円程度 | 6,000円程度 |
ファンベルトの交換にはベルト代と工賃を合わせて約10,000円前後が一般的ですが、価格は車種やメーカーによって異なるので注意が必要です。
交換にかかる時間は通常5分から30分程度で、飛び込み対応も可能ですが、事前に在庫の確認をすることが重要です。交換後にキュルキュル音が発生する場合は、ディーラーや整備工場での調整が必要となり、その費用は約3,000円から5,000円程度です。
自分で交換する場合は、必要な器具を用意し、エンジン内部に触るための知識が必要です。費用や作業の手間を考慮すると、プロに依頼することが安全かつ効率的です。
まとめ
今回はトラックのファンベルトについて解説しました。
ファンベルトは自動車において欠かせない部品であり、適切な管理を怠るとエンジンが停止し走行ができなくなる可能性があります。そのため、定期的な点検や交換がを心がけるようにしましょう。