トラックのクラッチ調整は必要?理由や調整方法を解説

AT車の運転手には馴染みのないクラッチ操作ですが、大型トラックなどのMT車では、ギアを切り替える際にクラッチ操作が必要です。

しかしながら、クラッチの仕組み上、大型トラックのクラッチは消耗が激しく、摩擦や滑りが生じたり、遊びが増大したりすることがあります。そのため、トラックのクラッチ調整は非常に重要な作業となります。

今回の記事ではトラックのクラッチ調整を放置することの影響やその重要性について詳しく解説していきます。

大型トラックはクラッチが滑りやすい!

大型トラックにはマニュアルトランスミッションが搭載されており、ギアを変更する際にはクラッチ操作が必要です。

アクセルを踏んでもエンジンが回転し、ギアがスムーズに入らない場合や、トラックがアクセルの開度に応じて適切に進まない場合、クラッチの消耗を疑いましょう。

クラッチが摩耗し始め、滑りや遊びが大きくなった場合、事故を未然に防ぐためにもクラッチ調整が必要です。

トラックではなぜクラッチ滑りや摩耗が起こりやすいのか

クラッチ操作は、エンジンとタイヤの間に存在する2枚の板を接触させたり離したりする行為を指し、これによってエンジンの動力がタイヤに伝達されます。このため、長い間の走行によってトラックのクラッチ部分の部品が摩耗し、徐々に滑りが増大することがあります。

さらに、半クラッチ操作を頻繁に行ったり、左足をクラッチペダルに常に載せたまま運転すると、通常よりもクラッチの劣化が速く進む可能性があります。

クラッチペダルを使用しない際には、左足をフットレストに置いて運転することを心がけることが重要です。

トラックのクラッチ調整を行わないとどうなるのか

トラックを運転中に、滑りや遊びが目立ってきた場合、必ずクラッチの調整を行うよう心がけましょう。

クラッチ調整は、クラッチが適切に機能するために極めて重要です。

クラッチ調整を怠ると、クラッチの消耗が進行してしまい、エンジンの動力がタイヤに伝わらなくなります。

周囲の車や人々に迷惑をかけるだけでなく、最悪の場合、重大な事故につながる可能性もあります。

クラッチ調整は絶対に怠らないようにしましょう。

トラックのクラッチ調整方法は?

クラッチ調整の方法やクラッチの寿命を伸ばす方法について解説します。

クラッチの調整方法

クラッチの調整は、レリーズシリンダーのプッシュロッドに取り付けられたロックナットを調整することで、自分でも行うことができます。

まず、クラッチハウジングの横にあるレリーズシリンダーを確認し、ロックナットを緩めてから右回しにねじ込んでいきます。

通常、クラッチの劣化により遊びが増えるため、ロッドを長くする方向に調整します。

ただし、クラッチ調整作業は経験や技術が必要ですので、自信がない場合は整備工場で調整を依頼することをおすすめします。

クラッチの寿命や長持ちさせる方法は?

クラッチの寿命には、通常使用年数が5〜8年、走行距離が10万km以上という目安があります。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、何か異常を感じた場合は即座に確認するよう心がけましょう。

さらに、普段の運転中にクラッチに過度な負荷をかけないよう注意することで、寿命を延ばすことができる場合もあります。

クラッチの寿命を最大限に延ばすためには、以下の点に意識を向けて運転することが大切です。

  • クラッチを使わない時はクラッチペダルに足を乗せない
  • 半クラを多用しすぎない
  • 急発進や急加速はできる限りしないようにする
  • 定期的にメンテナンス・点検を行う

まとめ

大型トラックなどのMT車において、ギア変更を行う際に必要なクラッチ。

しかしながら、大型トラックのクラッチは摩耗が激しく、時間とともに摩擦や滑りが発生し、遊びが増大することがあります。

クラッチの劣化を放置すると、いずれは走行不能な状態に陥り、深刻な事故を引き起こす可能性もあります。

そのため、定期的なメンテナンスとクラッチの調整を欠かさず行うことが重要です。