トラックの坂道発進補助装置とは？メーカー別に解説！

トラックは車体重量重く、積荷もあるため、坂道発進の際に失敗すると後退して大きな事故に繋がる可能性があります。

このようなリスクを軽減するのが、坂道発進補助装置です。

坂道発進補助装置は、トラックが安全に発進するために不可欠な装置です。

この機構により、トラックが坂道でスムーズに発進することができ、危険な状況を回避するのに役立ちます。

今回は、トラックの坂道発進補助装置の役割や仕組み、日野自動車が提供する坂道発進補助装置「ESスタート」について、詳細にご紹介いたします。

トラックの坂道発進補助装置の機能や注意点

通常、MTのトラックの坂道発進はサイドブレーキと半クラッチを駆使しながら徐々に発進します。

しかし、操作ミスをしてしまい坂道発進時にトラックが後退してしまうと、後続車との衝突など重大な事故につながる可能性があるため、非常に危険です。

このようなリスクを軽減するために、トラックには「坂道発進補助装置」が存在します。

トラックは乗用車に比べて車両重量や積載量が大きいため、坂道発進時に後退しやすい傾向がありました。そのため、安全性向上を目指して1990年代にこの装置が開発されました。

坂道発進補助装置は、ソレノイドバルブが作動してブレーキの圧力を維持する役割を果たす装置です。

装置を解除する際は、運転者が発進したいギアにギアを入れ、通常通り発進操作を行えば良いです。

この装置は、坂道発進時にブレーキペダルから足を離しても、クラッチが接続されるまでブレーキが保持されるため、坂道発進に失敗しても後退することはありません。

各トラックメーカーがこの装置を搭載していますが、メーカーによって装置の作動方法などが異なるため、注意が必要です。

新しいトラックを運転する際には、事前に坂道発進補助装置の機能や作動方法について確認しておくことが大切です。

トラックの坂道発進補助装置、ESスタートとは？

「ESスタート」という名称を聞いたことがある方も多いかもしれませんが、これはトラックの坂道発進補助装置の一つで、具体的には日野自動車での製品名です。

実際に、トラックの坂道発進補助装置はメーカーによって呼び名や作動条件が異なりますが、その基本的な機能は共通しています。

この装置は、坂道での発進をサポートするだけでなく、上り坂や信号待ちの際にブレーキペダルから足を離してもトラックが後退しないように働き、運転者の疲労を軽減します。

坂道発進補助装置の機能自体は各メーカーで共通ですが、以下のように呼び名や作動条件が異なることがあります。

日野自動車

坂道発進補助装置の名称：ESスタート

作動条件：坂道でトラックを停止し、ブレーキペダルを踏むと装置が作動します。

いすゞ

坂道発進補助装置の名称：HSA

作動条件：坂道でトラックを停止し、その後2秒以上ブレーキペダルを踏み続けると装置が作動します。

三菱ふそう

坂道発進補助装置の名称：EZGO

作動条件：坂道でブレーキペダルを踏み、トラックが停止すると装置が作動します。

UDトラックス

坂道発進補助装置の名称：EHS

作動条件：坂道でトラックのブレーキペダルを1秒以上踏み続けると、装置が作動します。

まとめ

トラックの坂道発進時の後退を防ぐ役割を果たすのが、「坂道発進補助装置」です。この装置は、ソレノイドバルブが作動してブレーキの圧力を維持する仕組みを持っており、トラックが坂道で発進する際に後退することを防ぐのに役立ちます。

坂道発進補助装置は、異なるトラックメーカーごとに異なる名称や作動条件が存在します。たとえば、日野の場合は「ESスタート」、いすゞでは「HAS」、三菱ふそうでは「EZGO」、UDトラックスでは「EHS」といった具体的な呼び方があります。

新しいトラックを運転する際には、そのトラックの坂道発進補助装置の仕組みや作動方法について、事前に確認しておくことが安心のために重要です。