トラックのメンテナンス-冷却水

エンジンを冷やす重要な役割を担う冷却水。
冷却水もオイルなどと同様に定期的に交換や補充を行うなどのメンテナンスが必要となります。

ここでは冷却水のメンテナンス方法について解説していきます。

冷却水の点検方法

冷却水の状態のチェック・点検は以下の方法で行います。

  • 水温計(H/C)を確認する〈高温になってないか〉
  • リザーバータンクの液量を確認する〈MIN-MAX間にあるかどうか〉
  • リザーバータンク内の冷却水が汚れてないか確認する〈濁り・汚れはないか〉

冷却水の補充手順

トラックの冷却水を補充する場合は以下の流れで行います。

液量が減っていたりしたら行いましょう。自信のない方は、無理せず整備工場などにお願いしましょう。

1.リザーバータンクのキャップを開ける

必ずエンジンが冷えた状態で行ってください。

エンジン停止直後などは冷却水が膨張して正確な量がわからないため、エンジン停止後はh時間をおいてから行うようにしましょう。

ウォッシャー液のタンクと間違えられることがよくあるので、注意しましょう。

2.冷却水を補充する

リザーバータンクキャップ開口部から冷却水を補充します。このとき、液量がタンクに刻まれている「MIN」と「MAX」表記の間になるように入れます。

3.リザーバータンクの上部キャップを閉める

液量を確認後、キャップをもとに戻して補充完了です。

トラックのリザーバータンクとウォッシャータンク

冷却水の交換手順

トラックの冷却水の交換は2~3年を目安に行うようにしましょう。

液量が減っていたり、汚れがひどい場合はより短い周期で交換すると、良いコンディションが保てます。

自分でトラックの冷却水の交換を行う際に必要なもの

  • 冷却水(純正またはトラックに合うもの)
  • ラジエーターキャップ(純正のものまたはトラックに合うもの)
  • 古い冷却水を受ける容器

トラックの冷却水を交換する場合は以下の流れで行います。自信のない方は、無理せず整備工場などにお願いしましょう。

1.エンジンをしっかり冷やす

走行直後などのエンジンが熱い状態でラジエータキャップを開けると、熱い水蒸気が噴き出して火傷を負う恐れあり、大変危険です。

エンジンを始動していた場合は停止後、しっかり時間をおいてから行うようにしましょう。

2.ドレンコックを開け、冷却水を排出させる

ラジエーター下部にあるドレンコックを緩めて開けると、冷却水が排出されます。容器下に入れておき、冷却水を受けとめます。(古い冷却水は廃棄します)

3.ドレンコックを閉め、上部から真水を入れてキャップをし、エンジンをかけて循環させる

真水をラジエーター内で循環させます。

4.エンジンを停止させて冷やした後、ドレンコックを開けて真水を抜く

このときもエンジン停止後少し待ってから、作業をします。循環させた真水と一緒に隅々に残っていた古い冷却水が排出されます。

5.上記3~4の作業を2,3度繰り返す。

繰り返すことでラジエータ内の古い冷却水が排出されていきます。人間で例えると「口をすすぐ」ような作業です。

6.ドレンコックをしっかり閉め、新しい冷却水を入れる

ドレンコックが閉まっているかを確認しましょう。

新しい冷却水を上部から入れます。希釈が必要な冷却水の場合は規定の割合で希釈しておきましょう。

7.エア抜きをする

冷却水を入れたら、そのままラジエータキャップを外した状態でエンジンをかけ、そのまま待機します。

ラジエーター内に混入していたエアー(空気)が出てくるので、出なくなるまでエンジンをかけ続けます。

そのとき、冷却水が減ったら、冷却水をつぎ足しましょう。エア抜きバルブが付いているトラックの場合は、バルブを緩めることでエア抜きが行えます。
エアーが出なくなったら、量を確認してキャップを閉め、完了です。

冷却水を点検しないまま走り続けていたらどうなるか?

冷却水を点検せず走り続けていたらどうなるのか?。
冷却水を点検せずに走り続けていると、冷却水の量が減ってしまったり、冷却水が劣化してエンジンを冷やす能力が低くなってしまいます。


最悪、走行中にエンジンが高温になってしまい、オーバーヒートを起こしてトラックが動かなくなってしまいます。オーバーヒートを起こしてしまうと、エンジン内のあらゆるパーツが熱で歪んだりダメージを受けてしまって動かなくなり、エンジンを載せ替えなければいけなくなる恐れもあります。


大変なトラブルや出費を防ぐためにも、日頃のメンテナンスは重要です。

まとめ

今回はトラックの冷却水について解説しました。
冷却水はエンジンを冷やすとても重要な役割を担っています。気が付いたときや、ほかの箇所のメンテナンスのついででもいいのでチェックすることが大切です。